2004年03月31日 (水曜日)
戦略経営の発想法
「ゴーログ」で話題のゴーちゃんこと木村剛の最新刊である。
今日の「オフサイド取引」までになんとか読了しておきたかったが、年度末でなかなか時間がとれず、残念ながら現時点で2/3程度の読了だ。本で知ったのだが、ゴーちゃん(親しみをこめてこう呼ばせてもらおう:-)は、1962年生まれ(≒)、1998年に起業し(=)、年商10億足らずの規模会社(=)の創業社長(=)ということで、私とほとんど同じ立場ではないか。違いと言えば、ゴーちゃんは超有名人、私はそうではないということくらい(笑)。
一経営者として「うんうん!」とうなずきながら読む部分も多かった。特に「ビジネスモデルは後知恵」については、私がよく言っている「ビジネスモデルは後付けの結果論」とほぼ同義であって、力強いバックアップを得た気がした。私は、ビジネスモデルは、あるビジネスを抽象化・モデル化することによって、説明したり、評論したり、研究するために有用なツールだと考えている。つまり、私は「ビジネスがビジネスモデルを産む」のであって、「ビジネスモデルがビジネスを産む」のではないと考えている。投資家と話すときに、すぐ「ビジネスモデル」の話になるのだが、どうしても「絵に描いたもの(モデル)が綺麗か」といった方向にいくことが多い。綺麗なビジネスモデルより、ウィル(志)とインプリ(実装)が重要だというのが私の持論だ。
評論家的な観点で80点のものと50点のビジネスモデルがあったとする。80点の方が成功する確率が高いだろうか? 私の答えはNOだ。30点の差よりもそれを熱意をもって実行できるかどうかのほうが、多分に結果を左右する。なぜならば、ビジネスは、まずシナリオどおりに行かないからだ。あらかじめ書いたビジネスモデルは、いわゆるシナリオだが、その通りに行かないときにどうやってそれを乗り切っていくかということが重要だ。新しいビジネスモデルを描けばいい?違う、違う。状況は時々刻々変化する。新しいモデルを悠長に考えている時間はない。私もゴーちゃんと同じく「洟垂れ小僧の経営者」ではあるが、経営とはそういう変化に対しての舵取りをどうするのかということだと考えている。それから、実装という点では、ビジネスモデルという抽象的なもの(ビジネスモデルは「モデル」という定義により抽象的である)に表現されない細部が極めて重要だ。かつて、ディズニーが「神は細部に宿る」と言ったらしいが、同じシナリオを書いても演者が演じる細部によって結果は千差万別に違いない。実際に、最近話題のorkutをはじめ、モデルそのものよりもインプリが重要な例は数多い。
そして、私は経済の専門家ではないのだが、第1章の「マクロ経済とマクロ経済の関係」という視点にも、この考えと通じるものを感じた。つまり、ゴーちゃんが言うところの、評論家エコノミストの「ミクロを軽視したマクロ経済主義」は、私には「インプリを軽視したビジネスモデル主義」にダブって見えるのである。
Posted by Pina Hirano at 2004年03月31日 03:44 | トラックバックはじめまして、遅ればせながら、木村氏の本を読んでみました。絶賛の感想ではないのですが、トラバさせいただきます。
Posted by: kaz0775 at 2005年03月05日 17:49